子どもが失敗したとき、親が最初にしてあげたいこと

「ママ、受からなかった……」
子どもが落ち込んだ声でそう言った時、あなたなら何と声をかけますか?
「大丈夫、次があるよ」
「もっと頑張ればできるよ」
「気にしなくていいよ」
わが子が悲しそうにしている姿を見ると、元気づけたくなるのは自然なことです。
でも、子どもが本当に求めているものは、意外と別のところにあるのかもしれません。

「絶対に合格してくる!」
娘が小学生だった頃のことです。
その日は公文のテストがありました。
家を出る前から、
「今日は絶対に合格してくる!」
と張り切っていました。
合格したら何をもらおうか。
そんな話をしながら出かけていったのを覚えています。
ところが数時間後。
迎えに行く前に一本の電話がかかってきました。
「ママ、受からなかった……」
今にも泣き出しそうな声でした。
私は、
「そっか。今日は受からなかったんだね」
そう返しました。
娘が本当に話したかったこと
迎えに行くと、娘は車に乗るなり話し始めました。
「ママ、あかんかった……」
「そっか。あかんかったんやね」
娘は少しうつむきながら続けました。
「スピードが足りなかった」
「そうなんや。うさぎちゃんはどう思ったの?」
「悔しかった。泣きそうだった」
「そっか。悔しかったんやね」
すると娘は少し表情を変えて言いました。
「でも今日は泣かなかった」
そして、
「次は100点とってやるって思ってん」
と続けたのです。

その時感じました。
娘は何かを解決してほしかったわけではなかったのだと。
勉強のやり方を教えてほしかったわけでも、励ましてほしかったわけでもなかったのかもしれません。
きっと一番話したかったのは、
「悔しかった」
という自分の気持ちだったのだと思います。
親はつい、解決したくなる
子どもが落ち込んでいる姿を見ると、親は苦しくなります。
元気になってほしい。
前向きになってほしい。
早く立ち直ってほしい。
そんな気持ちから、
つい励ましたり、アドバイスをしたり、
解決策を探したりしたくなります。
でも、子ども自身がまだ悔しさの真ん中にいる時は、その言葉が届かないこともあります。
まず必要なのは、
「悔しかったんだね」
「悲しかったんだね」
と気持ちを受け止めてもらうこと。
それだけで、子どもの心が少しずつ整理されていくことがあります。
子どもには、自分で立ち上がる力がある
娘は不合格だったことを悔しがりました。
でも、その悔しさの中で、
「次は100点とってやる」
という気持ちを自分で見つけていました。
私は特別なことをしたわけではありません。
ただ話を聴いていただけです。
子どもには、本来、自分で考え、自分で立ち上がる力があります。
親が先回りして答えを渡さなくても、
自分で次の一歩を見つけることがあります。

失敗をなくすことはできません
子育てをしていると、
失敗させたくない。
傷ついてほしくない。
そう思うことがあります。
でも、失敗をなくすことはできません。
そして、失敗からしか学べないこともあります。
娘もあの日、不合格だったからこそ、
悔しさと向き合い、
「次は100点を取る」
という気持ちを見つけていました。
親が失敗を取り除くことはできません。
けれど、
失敗した時に安心して気持ちを話せる場所を作ることはできます。
子どもが話したくなる安心感
子どもが失敗した時。
落ち込んでいる時。
悔しそうにしている時。
私たちはつい、
「どうしたら前向きになれるだろう」
と考えてしまいます。
でも、その前にできることがあります。
それは、
「どう感じたの?」
と気持ちに寄り添うこと。
そして、答えを急がずに聴いてみることです。
子どもが欲しいのは、正しいアドバイスではなく、
「わかろうとしてくれる人」
なのかもしれません。
たくさん話してくれることが大切なのではありません。
話したい時に、
「ここなら話しても大丈夫」
と思える場所があること。
その安心感が、
子どもの心と自信を育てていくのではないでしょうか。
子どもの心と自信は、日々の対話の中で育っていく
今回の記事でお伝えしたように、子どもは失敗の中からも多くのことを学びます。
その時に大切なのは、親が正解を教えることではなく、子どもが安心して気持ちを話せる関係を育んでいくこと。
マザーズでは、「聴く・認める・勇気づける」を大切にしながら、お母さん自身が自分らしい子育てを見つけていく学びの場をつくっています。


