「友達がいない」と心配になったとき、親が見落としやすいこと

「うちの子、友達がいないみたい」
そんな不安を抱えたことはありませんか?
休み時間は一人で過ごしているらしい。
学校が終わっても友達と遊ばない。
休日も家で本を読んだり、自分の好きなことをしている。
周りの子どもたちは楽しそうに遊んでいるのに、うちの子だけが一人。
「このままで大丈夫なのかな」
「もっと友達と関わった方がいいんじゃないかな」
「将来困らないかな」
そんな不安が頭をよぎることがあります。
実は私も、長い間そう思っていました。
友達と遊ばない息子を見るたびに、不安になっていた母親のひとりです。

友達と遊ばない息子を見て不安だった私
長男が小学生だった頃のことです。
6年間のうち3回も担任をしてくださったベテランの先生がいました。
懇談のたびに、先生はこんなお話をされました。
「かめくんは、とてもマイペースで、休み時間は外で遊びなさいと声をかけても絶対に行かないんです。」
「教室を閉めますよと言ったら、図書館に行っていました。」
「この子は、自分の殻を破りませんね。」
先生は息子を心配して言ってくださっていました。
でも私は、その言葉を聞くたびに胸がざわざわしていました。
本当にこのままでいいのだろうか。
もっと友達と遊んだ方がいいんじゃないだろうか。
もっと活発になった方がいいんじゃないだろうか。
帰宅しても友達と遊ばない。
学校でも本ばかり読んでいる。
そんな息子を見ながら、私の心は揺れていました。
同じマンションには、いつも友達に囲まれている男の子がいました。
学校が終わると楽しそうな声が聞こえてくる。
休日も賑やか。
その姿を見るたびに、私は比べていました。
「ああいう子の方がいいのかな」
「うちの子は大丈夫なんだろうか」
親だからこそ湧いてくる不安。
そして、その不安を抱えている自分にまたモヤモヤする。
そんな日々でした。

私を苦しめていたのは「ものさし」だった
懇談の帰り道。
私はいつも大きな夕日を見ながら、先生に言われた言葉を心の中で手放していました。
そして家に帰ると、息子にはこう伝えていました。
「先生がね、今日も頑張ってるねって言ってたよ」
本当は先生から言われた言葉を、そのまま伝えることもできたと思います。
でも私はそうしませんでした。
学校という、一日の大半を過ごす場所で、
先生が自分を認めてくれている。
見てくれている。
そんな安心感を持ってほしかったからです。
子どもは、大人が思う以上に周りの空気や評価を感じ取っています。
だから私は、「直した方がいいところ」ではなく、「認められているところ」を届けたいと思っていました。
でも正直に言うと、私の中にも葛藤はありました。
友達が多い方がいい。
みんなと仲良くできる方がいい。
活発な方がいい。
そんな”理想の子ども像”があったのです。
マザーズではよく「ものさし」という言葉を使います。
人にはそれぞれ、自分のものさしがあります。
そして知らないうちに、そのものさしを子どもに当ててしまうことがあります。
でもある時、私は思いました。
もし私の理想に息子を当てはめたら、苦しいのは息子の方ではないだろうか。
だったら理想ではなく、目の前のこの子を見よう。
そう決めたのです。
目の前の子どもを見ると見えてきたこと
ものさしを少し横に置いてみると、それまで見えていなかったものが見えてきました。
息子は友達がいないわけではありませんでした。
ただ、一人の時間が好きだったのです。
本が好きでした。
図書館が好きでした。
静かな時間の中で考えることが好きでした。
自分のペースを大切にしていました。
私はいつの間にか、
「何ができているか」
ではなく、
「何が足りないか」
を見ていたのかもしれません。
でも本当は違いました。
目の前には、その子らしく成長している子どもがいたのです。
「今日は誰と遊んだの?」ではなく
以前の私は、学校から帰ってきた息子に聞いていました。
「今日は誰と遊んだの?」
でも今思うと、その質問は息子のためではなく、私自身を安心させるための質問だったのかもしれません。
友達はいたのか。
一人じゃなかったのか。
ちゃんとみんなと同じように過ごせているのか。
そんな確認をしたかったのです。
でもある時から、私は質問を変えました。
「今日はどんな本に出会えたの?」
その子が好きなこと。
その子が夢中になっていること。
その子らしさが輝く場所。
そこに目を向けたいと思ったからです。

その質問をするようになってから、息子の話を聴く時間が以前よりずっと楽しくなりました。
友達の数ではなく、その子の世界を見る。
足りないものではなく、すでに持っているものを見る。
私は少しずつ、自分のものさしを手放していったのだと思います。
子どもは自分らしく育っていく
小学校6年生、最後の懇談の日。
先生は私にこう言ってくださいました。
「お母さん、これまですみませんでした。」
「私の教師人生の中で、かめくんのような子に出会ったのは初めてでした。」
「でも、わたし分かりました。あれが、かめくんなのですね。」
その言葉を聞いた時、胸がいっぱいになりました。
やっと分かってもらえた。
嬉しい。
そんな気持ちだったのを今でも覚えています。
そして現在、息子は成人しました。

自分を偽ることなく、自分らしく生きています。
あの頃、不安でいっぱいだった私に伝えたい。
大丈夫。
その子は、その子のまま育っていくから。
子どもを理解しようとするあなたへ
もし今、
「うちの子、友達がいないんです」
「みんなと遊ばないんです」
そんな不安を抱えているなら、安心してください。
あなたと同じように悩み、迷い、比べてしまった母親がここにもいました。
子育てに正解はありません。
だから迷うし、不安にもなります。
でも、もし誰にも分かってもらえなくても、
あなたが目の前の子どもを理解しようとしているなら、
その時間は決して無駄ではありません。
子どもを変えるのではなく、
「この子はどんな子なんだろう」
と見つめてみる。
その視点が、親子関係を変える最初の一歩になることがあります。
今日、お子さんにひとつ聞いてみませんか。
「今日はどんなことが楽しかった?」
その答えの中に、その子らしさのヒントがきっと隠れています。
あなたのお子さんは、どんな子ですか?
子どもを見ていると、
つい周りと比べてしまったり、
「こうなってほしい」という理想を重ねてしまうことがあります。
でも、本当に大切なのは、目の前の子どもがどんな子なのかを知ろうとすること。
マザーズでは、「聴く・認める・勇気づける」を大切にしながら、親子の心と自信を育む関わり方をお伝えしています。
私たちの想いはこちらからご覧ください。


